男性保育士に女児の着替えはさせないで――こうした保護者の訴えは男性差別なのか、それとも耳を傾けるべき問題提起なのか。ネットで盛り上がりを見せる議論が、芸能人・著名人らを巻き込む大論争に発展している。
このほど千葉市長がツイッターで触れたことを機にネットで関心を集め、J-CASTニュースも関連する記事を配信。その後、複数のテレビ局も同テーマを取り上げるなど関心が高まっている。
男性保育士は「いた方がいい」。しかし...
きっかけとなったのは、千葉市の熊谷俊人市長のツイッター。2017年1月19日、男性保育士活躍推進プランの策定を報告する中で、「女児の保護者の『うちの子を着替えさせないで』要望が通ってきた等の課題が背景にあります」と事例を報告した。その後の追加ツイートを含め、賛否の議論を巻き起こした。
J-CASTニュースでは、こうした経緯やネット上の賛否の声に加え、男性保育士らの関係団体メンバーの意見なども紹介しながら、「男性保育士に『女児の着替えさせないで!』 保護者の主張は『男性差別』か」を1月24日朝、配信した。
24日夜には、TOKYO MXテレビの「オトナの夜のワイドショー! バラいろダンディ」が、ニュースをランキング形式で紹介する「今夜は寝れ9(ナイン)」の3位で、同上J-CASTニュース記事を取り上げた。
男の子を持つ母親でもある、コメンテーターの作家・タレント、立花胡桃さん(35)は、子供の男女に関わらず性的関心の対象になる場合があるとして、保育士が男性だと「心配なワケですよ」と吐露した。しかし、男性保育士でなければできない遊びや仕事もあるとして、男性保育士は「いた方がいい」とも断言。ただし、オムツ替えなどの際には、男性保育士が1人で行うのではなく、女性保育士と2人組で業務に当たることを提案した。
別のコメンテーター、経済評論家・著述家の勝間和代さん(48)は、痴漢被害にあう女性が少なくない現状を指摘し、「女性じゃないと分からない。それ(痴漢被害の現状)を知ってるから嫌なんですよ」と、男性保育士による着替えなどに拒否感をもつ女性に理解を示した。
一方、アシスタントの阿部哲子アナ(フリー)は、「みんながみんな、そういう性癖がある訳ではなく、いい男性保育士もたくさんいるので...」とフォロー。すると勝間さんは、勿論そうなのだが、と受け止めつつ、通勤電車での「女性専用車」を例に挙げ、すべての男性が痴漢だと思っているわけではないが、「あった方がいい」と自論を展開。男性保育士の件でも、何だかの対応策があった方が良いとの考えをにじませた。
「恥じらいが出てくる年齢になると...」
また、1月25日には、朝のワイドショー「スッキリ!!」(日本テレビ系)も同テーマを扱った。熊谷市長ツイッターを紹介しつつ、男性保育士や保護者らの生の声も伝えた。
6歳の長女ら2児の母であるタレントの大沢あかねさん(31)は、意見を求められ、
「正直言うと、4歳、5歳、6歳くらいの恥じらいが出てくる年齢になると、全く気にならないっていうことはないです」
とし、幼児への性犯罪のニュースを見たりすると、「過敏になってしまう」とも述べた。
一生懸命頑張っている男性保育士が「たくさんいることを信じて」いるともしたうえで、「女親の場合、すごく気になる部分が多い」と、抵抗感を示す声へ賛意を示した。ただ、赤ちゃんの頃のオムツ替えは許容できるとし、子供自身が恥ずかしいと感じる年齢になり、実際にそう感じるようであれば、「(男性保育士による)着替えはやるべきではないと思う」と、問題を限定的に論じた。
一方、MCの加藤浩次さんは、保育園・保育士と保護者との信頼関係の大切さを強調し、「着替えもオムツもOK」と述べた。
賛否が分かれているこの問題。J-CASTニュースの24日記事の下で、「男性保育士が女児の着替えやオムツの世話をすることについて、どう思いますか?」とのワンクリック・アンケート(4択)を実施したところ、翌25日17時時点で、8400票以上が集まった。最多の選択は「全く問題ないと思う」で約72%だった。以下、「少し抵抗を感じてしまう」(約19%)、「絶対に嫌だ。女性だけが担当すべき」(約7%)、「その他、分からない」(約2%)が続いた。