これで愛猫がもっと長生きできる 治療法がなかった腎臓病の薬開発

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   これまで、猫の死因トップである慢性腎臓病の治療薬はなかったが、東レは2017年1月23日、猫の腎臓病治療薬「ラプロス」を開発し、農林水産省から承認を取得したと発表した。

   「猫用の腎機能低下を抑制する」という効能で承認された薬剤は国内初という。愛猫家にとって朗報だ。

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10歳以上の高齢猫の4割が発病する

   人間の腎臓病は、塩分の摂(と)りすぎや糖尿病の合併症など原因がはっきりしているが、主にキャットフードしか食べず栄養バランスが崩れることがあまりない猫に、なぜ腎臓病が多いのかは謎だった。先祖のリビアヤマネコが砂漠に棲(す)み、少ない水で生きるために尿を濃縮する性質があり、腎臓に負担をかける体質を猫も受け継いでいるという説が有力だった。

   東レの発表資料によると、猫の慢性腎臓病は、腎臓の機能が徐々に低下していくことで、食欲不振や体重減少、多飲多尿、おう吐など様々な症状が現れる。特に高齢の猫に多く、10歳以上の有病率は30~40%にのぼる。しかし、病態が解明されていないため、治療方法は高血圧が認められれば降圧剤、脱水症状があれば輸液など対処療法に限られていた。

   ところが近年研究が進み、猫の慢性腎臓病は腎臓組織の線維化と炎症によって起こり、腎線維化プロセスを防げれば腎機能の低下を抑制できることがわかった。「ラプロス」は東レがヒト向けに販売する血管拡張作用のある薬の有効成分を応用し、猫の腎臓の血管を拡張したり炎症を抑えたりして腎臓の線維化を抑制する。

   「ラプロス」は錠剤タイプの薬で、1日2回口から投与する。2017年4月から動物医薬品大手の共立製薬が販売する。

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