東芝、「綱渡り」の事業切り売り 残された時間は...

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「これから何で稼いでいくのかが見えない」と懸念の声も

   こうした課題を乗り越えて無事、3月末時点の債務超過を回避したとしても、東芝の未来が明るく開けるわけではない。東芝は2016年3月期も原子力事業で約2600億円の損失を計上した。期末になると原子力事業で損失が発覚して財務基盤が悪化することが年中行事になりつつあり、「原子力事業の将来性が見通せない中、これからも底なし沼のように損失が発生するのではないか」(アナリスト)と不安視されている。

   しかも、2016年3月に、成長株だった医療機器事業を約6600億円で売却するなど、高く売れる事業から売って決算をしのいできた経緯がある。原子力事業を維持するために「虎の子」を次々に手放しているともいえ、「これから東芝が何で稼いでいくのかが見えない」(同)との懸念は強い。17年3月期決算を何とか乗り切ったとしても、東芝が再び苦境に陥るリスクはぬぐえそうにない。

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