グッドデザイン賞を受賞した「Remember HOPE 浪板海岸ヴィレッジ(大槌アムウェイハウス)」が被災地のコミュニティを再生

水没したサーフショップの再スタート

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Remember HOPE 浪板海岸ヴィレッジ(大槌アムウェイハウス)」

   「Remember HOPE 浪板海岸ヴィレッジ(大槌アムウェイハウス)」は、道の駅のような施設を目指している。コミュニケーションスペースに加えて、イベント広場やカフェ、ショップやサーファー向けのシャワースペースの併設など、担う役割は多岐にわたる。

   津波で失われた浪板海岸のサーフショップも、当施設で再スタートを切った。津波の第1波で店が水没し、基盤から全てなくなってしまったという。サーフショップオーナーの杉本氏は、海岸の再生を目指す地元有志のメンバーだ。震災直後は浪板海岸での再開を諦めかけていたが、当施設の建設予定を聞いてテナントエリアの入居を即決した。

   震災前に比べて、サーファーや浜で遊ぶ家族の数は激減。ゆっくり過ごせるような砂浜もなくなった。しかし、当施設には芝生やトイレ、地産食材を使用したパスタやピザを提供するカフェ、パソコンやインターネット環境が整ったITコワーキングスペースまである。地元の人々の交流はもちろん、観光基盤にもなり得る期待の施設だ。

   杉本氏は「この場所は、ふらっと立ち寄ると誰かがいて、一緒に楽しめる場所だった。だから、また浪板海岸にこの施設ができたことは本当に嬉しい」「みんなが元気になれるような場所を作れればいいなと願っています。特に浪板地域の奥で暮らしているお年寄りにアムウェイハウスのある場所まで気軽に来ていただいて、話をしたり、くつろいでほしいですね」と語った。再びゼロからのスタートを切った杉本さんの目線の先には、かつての活気を取り戻した浪板海岸が見えているのだろう。

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