2017年1月24日の参院本会議で、安倍晋三首相が「訂正でんでん」という意味不明な発言をする場面があり、ツイッターでは大きな注目を集めて、一時トレンド入りした。
「云云」(うんぬん)を「伝伝」(でんでん)と読み間違えた可能性があるが、麻生太郎氏が首相だった08年にも、漢字の読み間違いを相次いで報じられたことがある。
蓮舫代表への反論の中で
「デンデン」発言は、民進党の蓮舫代表の代表質問への答弁で出た。蓮舫代表は、安倍首相が1月20日の施政方針演説で
「ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれません」
と述べたことを問題視。自民党も野党時代に国会でプラカードを掲げたことを指摘しながら、
「私たちへの批判とどう整合性をつけておられるのですか」
などと批判。民進党も「必要な法案には粛々と賛成している」として、
「まるで我々がずっと批判に明け暮れているという言い方は訂正をしてください」
と述べた。
この発言に対して、安倍首相は
「これはあくまで一般論であって、民進党の皆さんだとは一言も申し上げていないわけであります。 自らに思い当たる節がなければ、これはただ聞いて頂ければいいのだろう、このように思うわけであります」
と反論。その上で、
「訂正『でんでん』というご指摘はまったく当たりません」
と力を込めた。
「云云」と「伝伝」を混同か
この文脈では、「でんでん」だと意味が通じないが、「云云」(うんぬん)なら意味が通じる。広辞苑第6版によると、「云云」の項目の最初の説明には
「引用した文を中途で切り、以下を省略する時に用いる語。しかじか。これこれ」
とある。安倍首相は「云云」と「伝伝」を混同した可能性があるが、答弁原稿にこの文字があったのかどうか不明だ。この安倍首相発言はNHKで中継されたこともあって、ネット上で注目を集め、一時ツイッターでは「#訂正でんでん」という単語が「トレンド」入りした。
また、この安倍首相答弁を機に、ネットの一部では麻生太郎氏の首相当時の発言を思い出す人も現れた。麻生氏は08年、記者会見などで、「頻繁」(ひんぱん)を「はんざつ」、「未曾有」(みぞう)を「みぞうゆう」、「踏襲」(とうしゅう)を「ふしゅう」と読むなど、相次ぐ漢字の読み間違いがクローズアップされたことがあったためだ。