矛先は日本政府にも
この動画での発言について、「環球時報」は1月23日未明、
「日本の右翼ホテル代表、本は撤去せず 中国人の予約受け付けず」
という趣旨の見出し(原文は中国語)で記事化し、元谷氏が
「中国のウェブサイトで予約したい人もいるだろうが、予約は受けつけない」
と発言した、と報じた。約8分弱の動画でのあいさつを確認する限りでは、元谷氏は、「予約は受け付けない」との直接的な発言はしていないが、韓国の中央日報も環球時報を引用する形で報じている。
結果として、この発言をきっかけに中国外務省が攻勢を強める形になった。1月23日の定例会見で、
「アパグループの元谷外志雄代表は、『物事は起きてから数か月もすれば忘れ去られる』などと客室から右翼的書籍を撤去する意志がないと主張している」
と、発言を問題視する質問が出た。華春瑩報道官はこれに応える形で、
「日本の少数のグループが、歴史上の罪をリセットしようと必死になればなるほど、人々の過去の記憶を呼び起こすことになるだろう。こういった逆行するような行動は、すでに中国国民の強い怒りを引き起こしている」
などとアパグループを批判。華氏の矛先は日本政府にも向けられ、
「責任回避の方便として『言論の自由』を利用すべきではないし、ましてや『過去の歴史に過度に焦点を当てる』などと人々をミスリードすべきではない」
などと主張。その上で、
「日本側には、問題の重さを認識し、その責任を背負い、関連する問題に適切に対処し、日中間に新たな混乱が起きるのを避けるように求めたい」
と対応を求めた。