2年間使っている空気清浄機のフィルター掃除をしようとフタを開けたら、驚きの光景が目に飛び込んできた。そんなツイートが注目されている。
投稿者によると、フィルターがポリ袋に包装されたまま、未開封状態で空気清浄機を使い続けていたのだという。その間は効果が上がっていたのだろうか。
「ビニールつけっぱなし」「自分もです」の返信続々
ツイートがあったのは2017年1月14日。「フィルター掃除全然やってなかった!!!って焦って掃除しようとした結果!!!」と言って投稿された写真は、フタが開けられた本体と、その中にあるポリ袋に包まれたままのフィルターが映されていた。
空気清浄機は、吸い込んだ空気を通過させるフィルターに、ホコリやチリなどの汚れを付着させる。肝心のフィルターが未開封状態と気付かず2年間使っていたことに、「これはwww2年間何していたんでしょうかね~」と漏らしていた。
この投稿者はフタを開けるまで、外見だけではフィルターが袋に入っていると気付かなったが、開封するよう説明されている製品もある。別のユーザーは「本体にこんな説明書が貼り付けてありました。気が付いてない方が意外と多いのかも」と、「フィルターをポリ袋から取り出し、本体に取り付けてください」と書かれた紙を撮影し、ツイッターに投稿していた。
このツイートは2万3000以上リツイートされ、多くの返信も届いた。まさかと思って自宅の空気清浄機を確認したユーザーや、過去に同じ経験をしたというユーザーが続々と反応したのだ。
「奇遇ですね...。同じ機種で使い始めて2年目、自分もです(泣)」
「うちの姉もこれやってましたw」
「私も最初ポリ袋つけたまま使ってました。しかもポリ袋付いてる時に家族と『空気が綺麗だなぁ』とか言ってましたw」
「先週使い始めたうちの清浄機も同じくビニールつけっぱなしでした。おかげさまで気づくことができまして感謝です!」
シャープ「ピンク色の注意チラシを商品に直接貼って出荷」
J-CASTヘルスケアは、空気清浄機の大手メーカー3社に「なぜフィルターを個別に包装しているのか」を取材した。3社とも、ネット通販サイト「アマゾン」や「Yahoo!ショッピング」の売れ筋ランキングで共通して上位を占めるメーカーだ。
前出のツイート投稿者が使用しているのはシャープ製品だった。シャープ広報担当者は取材に対し、こう答えた。
「お客様がご購入時に、新品状態から使用頂くために包装しております。包装していないと、梱包された状態でもわずかながらニオイなどを吸着してしまう可能性があるからです」
フィルター汚れを防ぐ措置を取った上で、使用前に開封するよう伝えるため「取扱説明書の記載に加え、フィルターは袋から出してお使いください、とのピンク色の注意チラシを商品に直接貼って出荷しています」と説明、目に付きやすい場所に注意書きを添えているという。
一方、機能については、ポリ袋に包装されたままだと「空気清浄機は作動しますが、フィルターに空気が通らないため、集じん効果、脱臭効果はありません。風路をふさぐことになるため、吸い込み風量も著しく低下します」という。
フィルターの包装をやめたダイキン
2017年1月現在、「最新機種でもフィルターを包装している」というシャープに対し、「2世代前(2014年度発売商品)からフィルター包装をやめた」と話すのは、ダイキン工業の広報担当者だ。かつては、シャープ同様「お客様の手元に届くまでに、少しでも汚れが付くのを防ぐため」(ダイキン担当者)にポリ袋にフィルターを入れていたが、使用者の意見を踏まえて包装をストップした。
「取扱説明書には『運転前の準備』という項目で注意書きをしていましたが、コンタクトセンター(相談窓口)に『気付かずに使っていた』『外すのに手間がかかる』といった点で、フィルターの包装は邪魔だという声が複数届いていました。そこで、品質管理に関する社内の評価基準を満たした上で、空気清浄機の本体全体だけを大きな袋で包み、箱に入れる形に変更しました」
ダイキン担当者も、「フィルターの網で空気を濾過(ろか)する仕組みなので、包装されたままではホコリなどをキャッチできません」と話している。
パナソニックの製品は、そもそもフィルターのみの個別包装をしていない。同社広報担当者は、
「空気清浄機の本体全体は袋に包んでいますが、把握している限りでは、個別の部品は包装しておりません。お客様が自分で作業することなく、本体さえ取り出せば使用できる状態で出荷しています」
と話した。