寝不足になると肥満になりやすい 空腹感が増加するメカニズム判明

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   睡眠不足は健康によくないといわれるが、肥満防止のためにもしっかりと睡眠時間をとることが大切のようだ。

   早稲田大学スポーツ科学大学院と花王ヘルスケア食品研究所の共同チームは、睡眠時間が短くなると空腹感が増加し肥満リスクを高めるメカニズムを突き止め、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)の2017年1月10日号に発表した。

  • 寝不足は肥満のもと
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4畳半の実験室で2日間暮らしてみると...

   早稲田大学と花王の1月11日付発表資料によると、以前から睡眠不足になると太りやすいことが知られていたが、そのメカニズムはわかっていなかった。そこで、研究ではユニークな実験を試みた。これまでの「睡眠研究」は脳波を測る機器を使って「睡眠の質」を調べることが中心だった。しかし、これでは脳の活動はわかっても体全体で起こっている現象はわからない。共同チームは体全体の「代謝」の変化を調べるため、花王が民間企業で初めて導入した「メタボリックチャンバー」という装置を使うことにした。

   「メタボリックチャンバー」は4畳半ほどの広さの部屋型代謝測定装置だ。ホテルの1室のようにベッド、トイレ、洗面台、電話、テレビなどの設備がある密閉された空間で、人間が日常生活に近い環境で過ごす時のエネルギー消費量を、長時間にわたり測定することができる。室内に出入する空気を測定し、酸素消費量と二酸化炭素産生量からエネルギー消費量がわかる。また、尿素や窒素の損失データを加えると、炭水化物、タンパク質、脂肪のうちどれが燃焼してエネルギーに変わったかも計算できる。肥満の原因である脂肪の燃焼度までわかるのだ。

   若い健康な男性9人(平均年齢23歳)に協力してもらい、次の2つの実験を順番で行なった。(1)と(2)の間に2週間の休止期間をはさんだ。

(1)3日間しっかりと7時間睡眠をとり、その後48時間メタボリックチャンバーの中で生活してもらい、体の代謝への影響を測定する。また、食欲に関するアンケート調査を行なった。

(2)3日間半分の3.5時間しか睡眠をとらず、その後48時間メタボリックチャンバーの中で生活してもらい、体の代謝への影響を測定する。食欲アンケート調査も行なった。

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