先日ネットで無料公開された絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)の重版が決まり、発行部数が25万部を突破した。作者でお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんが2017年1月24日のブログで報告している。
制作スタッフにも「臨時ボーナス」を支給したと報告、紙版の売り上げが依然好調であることをアピールしている。
「市場が崩壊する」と叫ぶことで問題は解決できない
西野さんは重版決定に際し、
「Webで無料公開したことによって、多くの方に届き、多くの方が本屋さんに足を運んでくださったことが僕は嬉しい」
「本当に皆様のおかげです」
と感謝の言葉を一言。
制作に参加したイラストレーター33人全員の給料に「臨時ボーナス」を上乗せしたと明かした。
『えんとつ町のプペル』の無料公開をめぐっては「クリエイターの報酬が下がる」との批判がネットを中心に沸き起こっていた。人気声優・明坂聡美さんも、17年1月19日、「作品の価値も、クリエイターに支払う対価も下げてしまう」とツイッターで批判した。
西野さんは24日のブログで
「僕には絵描きの友達もたくさんいて、昨今問題になっている『絵描きの買い叩き問題』は対岸の火事ではございません。当然、良い状況とは思っていない」
とそうした批判に一部理解を示しつつ
「『市場が崩壊するだろー!』と叫ぶことが問題解決に向かっているとは僕は思わない」
「インターネットによって国境なんて無くなり、日本人の絵描きと、アメリカ人の絵描きと、中国人の絵描きと、タイ人の絵描き、さらにはコンピューターが、横並びで競争している時代なので、キチンと戦略を練って、『自分は何に時間を割くべきなのか?』と自答していかないと、飲み込まれてしまいます」
と反論している。加えて、
「『そんなことしちゃダメだ!皆、仲良く!』という人達とは、分かり合えない」
「ここは、学校や会社と違って、99.9%が脱落するチョット激しめの競争社会」
と持論を展開した。