新潟市を拠点に活動するアイドルグループ「NGT48」のデビューシングル曲が2017年4月12日に発売されることになった。1月20日に初めて開かれたグループの単独コンサートで発表された。
センターポジションを務めるのは、中井りかさん(19)。15年のグループ発足時は「かとみな」こと加藤美南さん(18)が最も注目されたのに続いて、初のNGT48のオリジナル曲「Maxとき315号」では「おかっぱ」こと高倉萌香さん(15)がセンターを務めた。今回のデビューシングルで中井さんが抜擢されたことで、NGTでもセンター争いが激化。「三つどもえ」の様相を呈してきた。
「ギャー!やややや、やだ!なんでー」
この日のコンサートは、「Maxとき315号」にちなんで、東京駅から上越新幹線の「Maxとき315号」に乗り込む映像の上映でスタート。楽曲の披露が進むにつれて新幹線が北上し、新潟駅到着でコンサートは終了、という趣向だ。
コンサートで披露された延べ31曲のうち、ソロ曲は2曲。「りか姫」のあだ名で知られる中井さんは、憧れの元NMB48・渡辺美優紀さん(23)のソロ曲「わるきー」を「わる姫(き)―」として歌い、加藤さんは、同じく憧れの前AKB48グループ総監督・高橋みなみさん(25)のソロ曲「愛しさのアクセル」を、得意のアクロバットを交えながら披露した。
ソロ曲を歌った2人のうち、デビューシングルでセンターの座を射止めたのが中井さん。コンサート終盤でフリーアナウンサーの徳光和夫さん(75)が会場のモニターに登場し中井さんの名前を読み上げると、中井さんは
「ギャー!やややや、やだ!なんでー」
とパニック状態に。その後は、「どうしよう...」と時折言葉を詰まらせながらも、
「あの、すごい私で務まるか本当に不安なんですけど、精一杯頑張るので皆さん応援よろしくお願いします」
「本当に、この(編注:センターポジションの立ち位置を示す)ゼロ番という場所を任せられたからには、今まで悔しい思いも沢山してきたんですけど、デビューシングルで立つのは、本当にとても大変なことだと思うので、みなさんに支えていただきながら頑張りたいと思います」「センターに立つのに恥ずかしくないぐらいの人になります!頑張ります!」
などと2000人のファンを前に意気込んだ。
HKT宮脇・兒玉もデビューシングルでは挫折した
中井さんは16年6月の「選抜総選挙」では80位圏内入りを逃したものの、16年11月発売のAKB48のシングル「ハイテンション」では、AKB48からNGT48に移籍、あるいは兼任している北原里英さん(25)、柏木由紀さん(25)以外のNGT「生え抜き」としては唯一選抜メンバーに選ばれた。視聴者投票で選ばれた16年末のNHK紅白歌合戦のメンバー48人にも入った。こういった人気の上昇ぶりが評価された形だ。
一方の加藤さんは、グループ発足直後の15年10月のイベントではセンターに立って前方宙返りを披露し、メディアの注目を浴びた「NGTの顔」とも言える存在。「選抜総選挙」にも76位にランクインした。総選挙と紅白の両方にランクインしたのは、「生え抜き」では加藤さんだけだ。
しかし加藤さんは、AKB48のシングル「君はメロディー」(16年3月発売)のカップリング曲として発表された「Maxとき315号」に続いて、今回のデビューシングルという重要な局面で2回連続でセンターを逃した形になった。今回、大抜擢に喜ぶ中井さんの右隣で、何度も手で涙をぬぐっていた。
ただ、AKB48の姉妹グループで立ち上げ時に注目されたメンバーがCDデビュー時にセンターに起用されないのは、決してこれが初めてではない。福岡市が拠点のHKT48では、発足からしばらくは1期生の宮脇咲良さん(18)と兒玉遥さん(20)が「ツートップ」として注目されてきたが、デビューシングル「スキ!スキ!スキップ!」(13年発売)でセンターに起用されたのは後輩・2期生の田島芽瑠(たしま・める)さん(17)。宮脇さんと兒玉さんは大いに挫折感を味わったが、16年の総選挙ではそれぞれ6位と9位にランクインした。今はAKB48グループの中でも中心的な存在として活躍している。今後、加藤さんにも何らかの形でスポットライトが当たる可能性がありそうだ。