【L4YOU!】(テレビ東京)2017年1月11日放送
「肺年齢が若返る!名医直伝!呼吸筋トレーニング」
冬の時期に流行する風邪やインフルエンザをはじめ、様々な病気にかかる原因の1つに、「呼吸筋」という筋肉の衰えがある。
正しく深い呼吸法を心がけ、呼吸筋を鍛えることで、体調の悩みが改善する可能性がある。番組では、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長が、肺年齢を若返らせる秘けつを伝授した。
口呼吸の矯正には「鼻歌」を
そもそも呼吸筋とは、呼吸をつかさどる筋肉の総称だ。20種類以上あり、代表的なものに肺の下にある「横隔膜」、ろっ骨の間の「肋間筋(ろっかんきん)」がある。
人間は1日に2万回以上呼吸していて、その度に酸素と二酸化炭素を交換している。酸素は体のすべての部位に必要なエネルギーで、呼吸筋が動くと肺の可動範囲も広がり、より多くの酸素を取り込める。呼吸筋が衰えていると酸素不足になり、免疫力が低下して病気の原因となるおそれがある。
呼吸筋の衰え度は以下の7項目でチェックできる。
(1) パソコン仕事や家事などで前かがみになることが多い。
(2) 最近疲れやすく、その疲れが取れにくくなった。
(3) 階段をのぼるのが辛く、エスカレーターやエレベーターを使ってしまう。
(4) ダイエットをしても昔よりやせにくくなった。
(5) のどがよく渇くようになったり、口臭が気になるようになった。
(6) 以前と比べ声が小さくなり、聞き返されるようになった。
(7) たばこを吸っている。
3つ以上当てはまった人は、「1.5メートル離れたティッシュ飛ばし」で本当に呼吸筋が衰えているかチェックしよう。
ティッシュを自分から1.5メートル離れたところに1枚置き、水平に近い位置で思いっきり息を吸って吐く。ティッシュが少しでも動かなかったら呼吸筋が衰えている証拠だ。
さらに呼吸筋が弱っていると、「口呼吸」になりがち。鼻には鼻毛があり、鼻呼吸をすると異物やウイルス、アレルゲンの侵入を食い止めてくれるが、口呼吸ではそのまま体内に入ってきてしまう。
矯正には「鼻歌」が効果的だ。口を閉じて歌うと、鼻呼吸の習慣が付きやすい。
「N95マスク」で肺活量を鍛える
呼吸筋はストレッチで鍛えることができる。まずは横隔膜を鍛える方法だ。
(1) 両手を胸の上に当て、息をゆっくり吐く。
(2) 息をゆっくり吸いながら、ふくらんでくる胸を両手で押し下げる。頭が下がりすぎないよう、あごを前に突き出すのがポイントだ。
(3) 息を吸えなくなったらゆっくり吐き出す。
次に腹部の「腹直筋(ふくちょくきん)」を鍛える。
(1) 両手を頭の後ろで組み、鼻でゆっくり息を吸う。
(2) 息をゆっくり吐きながら腕を天に伸ばして伸び上がる。かかとは床に付けたまま、ひじをしっかり伸ばすようにする。
(3) 首を前に突き出し、腕を後ろに引きながら息を吐ききる。
最後は、脇腹の「外腹斜筋(がいふくしゃきん)」を鍛えるストレッチ2種類だ。まずは、
(1) 胸の前で両手を組み、息をゆっくり吐ききる。
(2) 息を吸いながら腕を前に伸ばし、背中がボールになったようなイメージでおへそをへこませ、背中を丸める。
(3) 息をゆっくり吐きながら腕と背中を元に戻す。
次のストレッチは、座ったまま行える。
(1) 右手を頭の後ろに、左手を左腰の横に当て、鼻からゆっくり息を吸う。
(2) 体を左に倒し、右の脇腹を伸ばしながら息を吐く。
(3) ゆっくり戻り、手を入れ替えて反対側も同様にする。
これらを1セット10回、1日3セット行うとよい。早ければ2週間程度で効果があらわれ始める。
ストレッチに加え、「N95」という高性能マスクを付けるのも効果的だ。呼吸がしづらくなり、自然と肺活量が鍛えられる。ダイエットにもつながり、大谷氏は3週間で3キロやせたという。
日々のちょっとした体の悩みも、呼吸法を工夫すると改善が期待できる。
風邪のひき始めには「蒸しタオル呼吸法」。蒸しタオルを30秒ほど顔の上に置いて鼻呼吸すると、鼻とのどが潤い、免疫力が向上する。
寝付きが悪い夜には「口すぼめ呼吸法」。息を鼻で2秒吸い、口をすぼめて4秒吐くのを10回程度繰り返す。息をゆっくり吐くと副交感神経が優位になり、リラックスして眠りやすくなる。
緊張をほぐしたい時は「1・2呼吸法」。1秒間で息を吸い、2秒間で吐く。息をゆっくり吐くとアセチルコリンという物質が分泌され、脈拍が低下し緊張がほぐれる。