「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は投手と打者、どちらで出たい?」。二択を迫られたのはもちろん、二刀流・大谷翔平(22)だ。
「野球世界一」を決める大会の初戦まで2か月を切る中、その口から出た答えは明快だった。
「代表として出たいとずっと思っていた」
「前回大会、準決勝で日本が負けたのを見ている。4年後は自分が代表として出たいとずっと思っていた」。大谷は淡々と語ったが、4年越しの念願を叶えるチャンス。繰り返し発した「とにかく勝ちたい」という言葉は闘志を感じさせた。では投手と野手、どちらを選ぶのか。
「使ってもらえるならどちらでもいい」。
ポジションにはこだわらない。「『自分が、自分が』と主張する気もない。勝てるなら、与えられた役割は何でもやる」と何よりも勝利を優先させる。WBCへの意気込みを漢字一文字で表すなら、と問われると、色紙に書いたのは達筆な「奪」の字だった。(2017年1月20日、都内「J SPORTS 開局20周年プレス発表会」)