「サッカーが別の競技になる」
もし、ファンバステン氏が提唱した「オフサイド廃止案」が仮に実現した場合、私たちの知るサッカーはどうなってしまうのだろうか。サッカージャーナリストで審判とコーチのライセンスを持つ石井紘人氏は、1月20日のJ-CASTニュースの取材に、
「仮にオフサイドが無くなったとすれば、サッカーの質がこれまでとは全て変わってしまう。別の競技になるといっても、過言ではないでしょう」
と話す。
オフサイドが廃止されると、オフェンスの選手がプレーできるエリアにルール上の制限がなくなる。そのため、石井氏は、
「プレーする選手の人数を増やさないと、ゲームが成立しなくなるという可能性も十分考えられます。つまりは、サッカーが12対12のスポーツになる可能性もあるということです」
と分析する。
そのほか、このルール変更がチームの戦術にどのように影響するかについては、
「相手のゴール前に選手を置き、自陣からキーパーが直接ボールをそこに蹴り込み、ゴールを狙う。おそらく、こうした戦術を採用するチームばかりになるのではないでしょうか」
とも指摘した。実際、オフサイドのルールが無い「7人制サッカー」では、こうした戦術が一般的なのだという。
また、オフサイドが無くなることで「ゴール前の攻防が増え、とくにFWやGKにとっては活躍の機会が増える」として、
「本当に、FW出身のファンバステン氏ならではの考え方ですよね...(笑)」
とも漏らしていた。