国立感染症研究所は2017年1月20日、第2週(2017年1月9日~年1月15日)のインフルエンザの流行状況を発表した。定点当たりの患者報告数は15.25人となり、前週の報告数の10.58人の約1.5倍に急上昇した。累計の患者数は約400万人に達する勢いだ。
47都道府県中、44都府県で前週よりも報告数が増えた。同研究所では今後も患者は増え続け、1月下旬~2月上旬あたりにピークを迎えるのではとみている。
愛知、岐阜と千葉、埼玉、福井で猛威ふるう
都道府県別では愛知県が24.74人でトップ。続いて岐阜県21.00人、埼玉県20.21人、千葉県20.04人、福井県19.50人、茨城県18.48人、静岡県18.26人、三重県17.93人、山梨県17.54人、群馬県17.36人、岡山県17.15人、宮崎県17.00人、沖縄県16.93人、広島県16.83人、大分県16.83人、神奈川県16.67人、秋田県16.37人、愛媛県16.20人、滋賀県15.75人、長野県15.74人などの順となっている。
定点医療機関からの報告をもとに、この1週間に受診した全国の患者数を推計すると約99万人となり、前週の約81万人よりも増加した。年齢別では、20代が約14万人、30代、40代、70歳以上がそれぞれ約11万人、5~9歳が約10万人、0~4歳、10~14歳、15~19歳、50代がそれぞれ約9万人、60代が約7万人となっている。また、流行が始まった2016年第36週からの累積の推計患者数は約386万人となった。
38度以上の高熱が急に出る「A香港型」が最多
インフルエンザウイルスの検出状況をみると、直近の5週間(2016年第50~2017年第2週)ではAH3亜型の検出割合が最も多く、次いでB型、AH1pdm09の順だった。AH3亜型はA香港型(通称香港風邪)とも呼ばれ、38度以上の高熱が急激に出るのが特徴だ。体の節々の痛みや全身の倦怠感と悪寒、頭痛、激しいせきやくしゃみに襲われる。
予防や重症化を防ぐにはワクチン接種が有効とされる。また、厚生労働省では、マスクによる飛沫感染防止、手洗いとうがいの徹底、室内の湿度の保持、人ごみへの外出をさけるなどを呼びかけている。