「直感的な分かりやすさ」重視
標準ピクトグラム策定にあたっては、現在使用されているデザインからどれが分かりやすいかを日本人と外国人にアンケート調査し、支持されたものをベースに、日本レストルーム工業会が各メーカーのデザイン担当者と協議したという。たとえば、担当者によると「おしり洗浄」だけでも現行10種類のデザインがあり、水流のみのもの、おしりと水流を合わせたもの、ノズルだけを描いたものなど、まちまちだった。
最終的なデザイン策定で重視されたのは「直感的な分かりやすさ」だ。パッと見ただけで機能をイメージしやすく、できるだけシンプルにして見やすさにも配慮した。あくまで絵柄の統一であり、文字での機能表記は統一していない。また、便座の温度調節や、おしり洗浄の水勢調節ボタンを搭載したタイプの便座もあるが、これらのボタンのデザインも取り決めていない。
外国人利用者が分かりやすいようにと策定された今回の標準ピクトグラムだが、ツイッターを見ると日本人ユーザーからも「これは良い動き。もっと早くすべきだったと思う」「これすっげ大事!」と歓迎されている。また
「便器洗浄レバーを探して、あるべきところにないのでそのまま出て来ざるをえない外国人、公衆の場のトイレで結構、多し」
とのツイートも見つかる。前出の担当者にこうした声が出ていると伝えると、「流せないという困りごとが、今回の統一を機に解消できていけばうれしく思う」と話していた。
標準ピクトグラムは、日本レストルーム工業会加盟9社が2017年度以降の新製品から順次採用していく。また同会では、ISO(国際標準化機構)による国際標準化を目指す。合わせて、日本のトイレの使用方法を英・中・韓の3か国語で説明するウェブサイトを制作し、公開している。