電車の乗り降りでスロープを出してもらえない
同社のバギー型子ども用車いすは、乳幼児に限らず使われる。きさく工房では、身長90~110センチ用のSサイズから、145~165センチ用のLLサイズまでそろえている。そのため「LLになるとベビーカーよりも明らかに大きいです」というものの「Sだとサイズの面でもベビーカーと同じくらいです」。それでも「見慣れている人には一見して分かるはずです」とも加えていた。
そんなバギー型子ども用車いすだが、認知度は決して高くない。前出のツイート投稿者は、ベビーカーに見られるため「障害者として認識されず、必要な介助が受けられない場合がある」と指摘している。
担当者に改めてこの点を聞くと、こう答えた。
「電車の乗り降りでスロープを出してもらえない時がある、といった話は最近よく耳にします」
他にも、ツイートの体験談では、重量が10キロ以上あるため、階段などで一時的に折り畳んで持ち上げるといったことが難しく、周囲の介助が必要になるケースが多いという声があった。
こうした状況に対し、認知度向上を図っている団体もある。一般社団法人「mina family」は、外見だけで「子ども用車いす」だと判別できるよう、車体に取り付ける「こども車いすマーク」を2016年6月に作成し、普及に努めている。公式サイトによると、啓発のためにポスターも作成し、公共施設などでの掲示を進めている。