高齢になるほど室温が下がると血圧が高くなる
同省の調査チームは、住宅の改修を行なう予定の1701人を対象に、住宅の室温の変化が血圧に与える影響を調べた。すると、朝起きた時の室温が低いほど、血圧が高くなる傾向がみられた。室温がふだんより10度低くなると、最高血圧が7.3 mmHgも高くなった。しかも、高齢になるほど室温の変化が血圧に影響を与える度合いが高くなった。たとえば、ふだんの気温より5度低くなった場合、20代では血圧が2.8mmHgしか上がらなかった、60代では9.0 mmHg、70代では10.2 mmHg、80代では12.1 mmHgも高くなった。
次に、実際に住宅の工事をすませた165人を対象に、さらに詳しく改修後の室温の変化が血圧に与える影響を調べた。その結果、改修後に室温が平均で3.3度上昇し、血圧の平均も1.4 mmHg低くなった。気温が高くなるほど血圧が低くなる傾向がみられ、10度以上高くなった人では、血圧が4.5mmHg低くなった。
調査チームは、中間報告の中で「高齢な人ほど室内の気温を暖かく保つことに気をつけてほしい」と呼びかけている。