東京都の小池百合子知事が、「世襲的」体質に対する批判を強めている。2017年夏に予定されている都議選の「前哨戦」とも言える千代田区長選(1月29日告示、2月5日投開票)では、与謝野馨・元財務相のおいが自民都連の推薦を受けて出馬表明したことを「とても自民党的な選び方」と皮肉った。
これに加えて、築地市場の移転問題で公開ヒヤリングに応じないままの石原慎太郎・前知事の次男がコメンテーターとして情報番組に出演していることを念頭に、「コメンテーター選びにこそ違和感あり」と非難。前回13年の同区長選挙では、小池氏が支援する現職が「辛勝」する接戦だったこともあって、危機感を強めている可能性もある。
「与謝野さん、そういえば、最後、何党でいらしたですかね。甘党?」
区長選には、小池氏が支援する現職の石川雅己区長(75)と、与謝野信氏(41)が出馬を表明している。千代田区は、小池氏と対立する都議会自民党の「ドン」内田茂都議(77)の地元だということもあって「代理戦争」と注目を集め、「小池 vs 自民党」の構図がクローズアップされている。
与謝野信氏は、与謝野馨氏のおいにあたる。小池氏はこの点について、与謝野氏が出馬表明した1月13日に行われた定例会見で、
「与謝野先生のおいごさんということで、とても自民党的な選び方だなというのが1点、率直な感想。多分、猛烈な組織選挙をされるのだろうと思うが、要は、区民が決められる『区民ファースト』、これに尽きるのではないか」
と対決姿勢を鮮明にした。これに加えて、
「与謝野さん、そういえば、最後、何党でいらしたですかね。甘党?」
と、与謝野氏が自民離党などを経て民主党政権でも入閣した点を暗に批判した。