東京都が私立高校の授業料を来年度から「実質無償化する方針だ」と新聞各紙が2017年1月17日に報じた。ネットではさっそく、私学は好きで行く場所だから税金の無駄遣いだ、公立校にカネを使うべきなどといった批判が挙がった。
都は既に経済的に苦しい家庭には授業料軽減助成金を既に支払っているが、これで私立高校を希望する中学生が増える可能性は少ないという。
世帯年収が760万円未満の家庭で生徒数は約5万1000人
東京都の小池百合子知事が1月16日に記者会見で、東京都在住で都内外の私立高校に通う生徒の授業料を、世帯年収760万円未満の家庭を対象に実質的に無償化する方針を明らかにした。早ければ17年度から実施する。能力に応じた高校に通うことを可能にするため、保護者の経済的負担を軽減することが目的だとしている。対象となる生徒数は約5万1000人という。都の支出分の総額は計138億円になる。私立高の授業料無償化は、大阪府が世帯年収590万円未満世帯を対象に実施している。
しかし、ネット上では私立高校の授業料無償化について批判の声の方が多く、
「それって私立と言えるのか? 」
「貧困で優秀な生徒のために 都立高校がある。この金を都立高校に使うべき」
「公立に落ちて私立に仕方なく進学した一般庶民には良い政策かもしれんけど、金のバラまきになるから結果的にダメだわな」
などといった意見が掲示板に挙がった。
J-CASTニュースが東京都生活文化局私学課に17年1月17日に取材したところ、
「まだ案が出たばかりであり、都議会にもかけられていないため詳しい事は分からない」
としている。
一律で支給する約44万円というのは私学の授業料の平均で、生活保護者に支払われる教育助成金の年間最高額(国から29万7000円、都から14万3000円)と同等額だという。さらに支給対象者は760万円未満となっているが、実質的には収めた税額で審査するため、年収760万円の家庭でも子ども数などによって、支給するかどうかは変わってくるという。