記憶障害の患者の治療に役立つ大発見
また、実験中のサルの脳を「fMRI法」(磁気共鳴画像法)を使い、脳の血流反応を調べると、メタ記憶を発揮している時は、背外側前頭葉9野という部位が活発に働いていることがわかった。そこで、この部位に脳活動を抑える薬剤を微量投入すると、普通の記憶力は変わらないが、「メタ記憶」を使うことが抑えられた。この部位の脳神経ネットワークがメタ記憶に関係していることが世界で初めて確認できた。
研究チームの宮下保司・順天堂大学特任教授らは、発表資料の中で、「人間以外の動物もメタ記憶を持っていることを発見できました。しかも、脳のどの部位がメタ記憶に関係しているかは、人間の実験では複雑すぎて分かりませんでしたが、世界で初めて同定することができました。今後、記憶障害の患者の診断や治療法の開発に貢献することが期待できます」とコメントしている。