独特の存在感がある演技力でテレビや映画、舞台で活躍した俳優の神山繁さんが2017年1月3日に亡くなっていたことがわかった。87歳だった。1月16日、所属事務所が公式サイトで明らかにした。
新劇出身らしい張りのある声と陰影に富んだ演技で人気があった。骨董などの趣味人としても知られ、最近は、一線からは退き、京都で悠々自適の生活をしていた。故人の遺志を尊重し、近親者のみで見送ったという。
ツイッターにも惜しむ声
海軍経理学校出身。1952年、文学座へ入り、演出助手のあと俳優へ。60年代は、劇団「雲」、75年には演劇集団「円」に加わった。テレビの人気アクションドラマ「ザ・ガードマン」(65~71年)で、一般にも親しまれるようになった。近年は、自立したお年寄りたちが支え合って暮らすグループホームを描いた作品「ホーム・スイートホーム」(2000年、栗山富夫監督)で、痴呆症状が現れ始めた元オペラ歌手の父親役を主演、話題になった。
映画では「踊る大捜査線 The Movie 2レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03年、本広克行監督)、「沈まぬ太陽」(09年、若松節郎監督)などのヒット作に出演。
中でも「アウトレイジ ビヨンド」(12年、北野 武監督)では、ヤクザ組織花菱会の会長役で存在感を発揮しており、ツイッターには
「また敬愛する役者さんが天に召されてしまいました。『アウトレイジ ビヨンド』では凄みの効いた芝居を見せてくれました」
「アウトレイジの花菱の会長の風格すごかったんやけどなぁ... 続編どうなるんや......」
など、神山さんの死を惜しむ声が寄せられている。