センター試験1日目(2017年1月14日)に行われた国語の試験で、受験生の心をかき乱すセリフが登場し、話題を集めている。
それは、ズバリ「おっぱい」。しかも、明治大正期の女流作家の作品に、突如現れた。受験生からは「気を取られた」「俺の心を激しく動揺させた」との声が寄せられている。
中高一貫男子校出身者の点数が落ちる?
話題となっているのは、「国語」の2問目に出題された物語文。女流作家、野上弥生子が1912年に雑誌「ホトトギス」で発表した「秋の一日」だ。
秋の一日、主人公・直子が2歳になる子どもと一緒に文部省美術展覧会(文展)を見に行く。その会場に着くまでの出来事と会場内での出来事が描かれている。
その後半部分で、会場内で女の裸体像を見つけた子どもが「おっぱい。おっぱい」と言葉を発し、同行した女中や主人公がこれを聞いて笑い出す場面が出てくるのだ。
つまり、作者はここで、子どもの無邪気さをストレートに表現しているわけだ。しかし、文章を食い入るように読み込んでいた受験生から、ツイッターで
「気を取られた」
「俺の心を激しく動揺させた」
「そんなん笑うわ」
と、驚きと困惑の声が上がった。
前触れもなく現れた「おっぱい」。あまりに予想外のセリフだったためか、「中高一貫男子校出身者の点数を落とそうとする大学入試センターの陰謀」といったうがった見方も出た。ちなみに、当該部分は特に設問化されていない。
センター試験といえば、ここ数年「ツッコミどころのある」問題が出題され続けている。
国語に限っても、16年の出題文で「やおい」(ボーイズラブ)が取り上げられ、15年には「クソリプ」(ナンセンスな返信)や「パクツイ」(他人のツイートをコピーし、自分がツイートしたかのように装う行為)といったツイッター文化をテーマにした論説文が出題された。
そうした問題が試験後、受験生にSNSで拡散され、ネット上の反応がまとめサイトに掲載される、という光景が繰り返されている。