ぬいぐるみはモノじゃない、家族だ 傷んだら「病院」で「治療」する時代

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「クリーニング店で丸洗い」に抵抗感じる持ち主

   堀口さんによると、一般的にぬいぐるみのケアはクリーニング店で行われているという。

「衣服と同じように丸洗いされますが、『物』でなく『家族』や『友人』として接する人には抵抗があり、当院を利用されるケースは多いです。『家族に縫ってもらっていたが限界があった』『こういう病院を探していた』といった声もこれまで頂きました。少しずつ皮膚を強化したり、綿を入れ替えたりといった適切な治療を続けていけば、ぬいぐるみは100年ほどもつと思います」

   治療期間は状態によるが、2週間から長ければ3か月ほどかかり、その間は「入院」するため客の手元を離れる。堀口さんは、ぬいぐるみ病院が背負う責任についてこう話す。

「寂しさのあまり泣き出してしまったり、入院中に心配してご連絡されたりする方もいます。ある親子は、本当に治るか不安を口にする母親に、息子さんが『先生がちゃんと治してくれるから心配しないで』と声をかけていました。それだけ大事なぬいぐるみを預けていただくという信頼と期待に応えなければならない、と日々思いながら治療にあたっています」

   増え続ける問い合わせに対応するため、持ち主自身が自宅でもできるケアの方法を学ぶ「ドクターコース」の開設や、風呂の入れ方を教える動画の制作などを検討しているという。「どういう展開が一番喜んでいただけるかを模索しています」と堀口さんは話した。

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