ぬいぐるみはモノじゃない、家族だ 傷んだら「病院」で「治療」する時代

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   ボロボロになってしまったお気に入りのぬいぐるみを「患者」として「治療」する。そんな「ぬいぐるみ病院」がある。

   ぬいぐるみを「物」ではなく「家族」と考える客から依頼が殺到しており、1か月で1000件の予約が入る時期もあった。取材に答えた「ぬいぐるみ病院」の運営会社代表は「状態によるが、ぬいぐるみは治療を続ければ100年ほど長持ちすると思う」と話している。

  • 表面の破れ、色味、綿のふくらみも「治療」(写真は公式サイトから)
    表面の破れ、色味、綿のふくらみも「治療」(写真は公式サイトから)
  • 「美容室」では髪型を変えられる(写真は公式サイトから)
    「美容室」では髪型を変えられる(写真は公式サイトから)
  • 全国から問い合わせが殺到している「ぬいぐるみ病院」(写真は公式ツイッターから)
    全国から問い合わせが殺到している「ぬいぐるみ病院」(写真は公式ツイッターから)
  • 表面の破れ、色味、綿のふくらみも「治療」(写真は公式サイトから)
  • 「美容室」では髪型を変えられる(写真は公式サイトから)
  • 全国から問い合わせが殺到している「ぬいぐるみ病院」(写真は公式ツイッターから)

内科、外科、リハビリに美容室までそろう

   「ぬいぐるみ健康法人もふもふ会 ぬいぐるみ病院」のウェブサイトを見ると、一般の病院のように複数の「診療科」がある。まず「内科」で触診し、適切な治療方法を決定する。「外科」では、綿の入れ替え、ビーズ袋の交換、穴の縫合や、はげた表面への植毛も行う。他に、顔や体部分のゆがみを矯正する「整形外科」、プラスチックなどの素材が使われる場合がある目・耳・鼻・口を修復したり整えたりする「眼科・耳鼻科」、さらに、ぬいぐるみ表面についた汚れを落とす「入浴」も行う「リハビリテーション科」がある。

   このぬいぐるみ病院を運営する「こころ」(本社・大阪府豊中市)代表取締役・堀口こなみさんが2017年1月13日、J-CASTヘルスケアの取材に答えた。もともと同社はぬいぐるみ販売を手がけており、客から「毎日一緒に生活する中で、綿がつぶれたり表面が汚れたりしてしまう。何とかならないか」という相談を多く受けていた。そこで、ぬいぐるみ病院を立ち上げ、「綿の入れ替え」と「風呂」のサービスを「2年ほど前に始めました」という。

   全国的にも珍しい取り組みで、問い合わせは多いときで月に約1000件にのぼる。予約が増えすぎたため16年6月にいったん受付をストップした。同年12月22日に再開したが、「それから10日間で予約が殺到したため、現在は受付を再度休止させていただいております」。需要はかなり大きい。

   「治療」は縫製や手芸に秀でたスタッフを中心に10人ほどで行っている。ファッションデザインを型紙に起こすパタンナーや、着物の縫製を手掛けていたスタッフもおり、「個別の症状に応じて創意工夫を凝らしながら治療にあたっている」と堀口さんは話す。客からのさまざまな要望に応えていく過程で徐々に治療項目が増えていったそうで、たとえば「髪型を変えたい」との声から、ぬいぐるみのイメチェンを助ける「美容室」も設置した。

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