豊洲市場の地下水「有害物質」基準超え 仲卸業者激怒、専門家は「理解できない」

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築地関係者「(都の調査は)本当に信用できない」

   有識者さえ戸惑う今回の調査結果をめぐり、質疑応答に入ると「当事者」である築地市場関係者から都の姿勢を問う意見が次々と上がった。最初にマイクを手にとった男性は、

「まったくこれ、どうしてこうなってしまったんだろうという思いです。1回目から7回目、8回目と9回目の調査ではどこが違ったのか、何が違うんだ。過去の調査は惰性でやっていたということか、真剣味が足りなかったということなのか」

とまくし立てるように問い詰めた。続けざまに、基準値を超える有害物質が8回目と9回目の調査で検出されたことについて、

「移転が決まったから数字の扱い方が変わったのか、その辺が疑問です。前回までは安易な形で取り扱われていたのではないか。そもそも、これまで東京都の職員だけの調査をただ信用してやって来たこと自体、おかしいんじゃないか」

と声を荒げた。

   築地市場で仲卸業を営んでいるという別の男性も、コメントは厳しい。

「東京都さん、申し訳ないんですけど、本当に信用できないですね。1回目から7回目まで不検出で、8回目と9回目で急に(有害物質が)出てきて、一体何があったんだと。素人からして見たら、『改ざんがあったのか』『ウソをついた数字を出していたのか』と疑われても仕方がないじゃないですか」

   男性は続けて、多数の場所で基準値超の有害物質が検出された今回の調査結果について、「これじゃあ、実験場みたいですよ」と表現し、

「僕らは、市場を作って欲しいんですよ」

と声を張り上げた。この意見を受けた別の市場関係者も、

「今までの調査がいかにデタラメだったか、誰が見ても分かりますよ。信用できないです、はっきりいって」

と発言。東京都だけではなく、民間業者を加えた「クロスチェック」(複数調査)でないと「安心できない」と強く訴えていた。

   実際、今回の専門家会議では、外部の有識者から(1)「複数の利害関係者」による調査の必要性、(2)採水時に外部の専門家が立ち会うべきなど、調査の信頼性を担保するための提言が複数出た。

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