突然、我慢できないほどオシッコがしたくなり、トイレに間に合わずに漏らしてしまう「切迫性尿失禁」。40代以上の男女、特に女性に多い病気だが、恥ずかしさもあって専門医に相談しない人がほとんだ。
製薬大手のファイザーは2017年1月からテレビCMやインタネットで切迫性尿失禁の啓発活動を始めた。まず、女性が口に出しづらい切迫性尿失禁という病名を「UUI」(ユーユーアイ)と言い換えることから始めようと呼びかけている。
女優の西村知美さんが「恥ずかしがらないで」
ファイザーの1月6日付発表資料によると、「UUI」は切迫性尿失禁の英語の病名である「Urgency Urinary Incontinence」の頭文字だ。欧米では一般的に使われている。「勃起障害」を「ED」(イーディー)、「男性型脱毛症」(薄毛)を「AGA」(エージーエー)と言い換え、より口に出しやすくして専門医を受診させる動きが広がっているが、それと同じ目的を意図しているようだ。
2015年にテレビ番組で「尿漏れ」のつらい経験を告白して話題になった女優の西村知美さん(47)をキャラクターに起用、「UUI(ユーユーアイ)は、恥ずかしがらずに医師に相談してみませんか」と呼びかけるテレビCMを1月から3月まで全国に放映する。また、西村知美さんが専門医の横山修・福井大学医学部泌尿器科教授に聞く「先生教えて! UUI(切迫性尿失禁)相談室」の動画もウェブサイトで公開している。
ところで、切迫性尿失禁とはどんな病気なのか。ファイザーの発表資料によると、日本排尿機能学会が2003年に行なった調査では、40歳以上の男女で、切迫性尿失禁を週1回以上起こす人は全体の8.9%(男性7.3%、女性10.0%)で、1日1回以上起こす人は5.3%(男性4.5%、女性5.7%)だった。つまり、40歳以上の女性では、10人に1人が週1回以上経験しているのだ。