フォードもフィアット・クライスラーもひれ伏す
一方、米国のドナルド・トランプ次期大統領は2017年1月9日(日本時間10日)、欧州の自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、8日に米国工場の生産力拡大に、約2000人の追加雇用と約10億ドル(1000億円超)を投じると発表したことについて、ツイッターに「ついに(求めていたことが)実現した」と投稿。米自動車大手のフォード・モーターが1月3日にメキシコでの新工場建設を撤回すると発表したことにもふれ、「ありがとう、フォードとフィアット・クライスラー!」と、謝意を綴った。ただ、トヨタの1兆円投資には反応していない。
日米の自動車大手がトランプ氏に名指しで批判された状況から、フィアット・クライスラーは、その前に「先手」を打ったとみられるほか、北米国際自動車ショーでは、フォード・モーターが2020年からミシガン州の工場で中型SUVを生産開始することも発表した。
微妙な立場なのが、ゼネラル・モーターズ(GM)。トランプ氏はGMの「シボレー・クルーズ」をめぐるメキシコ投資も批判しており、4日には「これで終わりではない」と介入を続ける意向を示していた。
GMはメキシコでの生産計画の変更を否定しているが、トランプ氏のツイッター「口撃」に、日米欧の自動車大手が次々となびいており、今のところ、トランプ氏の思惑どおりの展開になっているようだ。