米ロサンゼルス郊外のビバリーヒルズで2017年1月8日(米太平洋時間)に行われた第74回ゴールデン・グローブ賞の授賞式で、女優のメリル・ストリープさん(67)がドナルド・トランプ次期大統領を念頭に、「軽蔑は軽蔑を呼び、暴力は暴力を呼ぶ」などと批判した。
トランプ氏が大統領選期間中、障害のある記者の動作を揶揄(やゆ)したとされることに対する批判だが、トランプ氏はツイッターでストリープさんについて「ハリウッドで最も過大評価された女優」「ヒラリーの追随者」と罵倒し、記者についても「こびへつらう様子」を表しただけだ、などと反撃している。
「映画ではなく、現実の光景」
ストリープさんは、長年にわたって映画界に貢献した人に贈られる「セシル・B・デミル賞」を受賞。その受賞スピーチの冒頭、
「ハリウッドには、よそ者と外国人がうようよしている。彼らをみんな追い出したら、あとはアメフトと総合格闘技ぐらいしか見るものはない」
などとトランプ氏の排外主義を皮肉った。
ストリープさんにとって
「この1年で、非常にショックをうけた一つのパフォーマンス」
があり、それはストリープさんの心に
「フック(釣り針)が刺さったまま」
だという。トランプ氏を名指しこそしないものの、その内容を
「我が国で最も尊敬される座に就こうとする人が、障害を持つ記者の物まねをしたときのことです」
「それを見たときは心が打ち砕かれる思いで、まだ頭から離れません。映画ではなく、現実の光景だからです」
と説明した。