「ラケットくぐり」「扇風機舌止め」などの超人芸で知られるエスパー伊東(本名・伊東万寿男)さん(56)が体力の衰えを理由に、活動内容を見直すことになった。
長年の営業で積もり積もった疲労から、スポーツ紙に「芸能界引退へ」とも報じられたが、所属事務所は引退は否定しつつも、「体を張りすぎた芸はもう難しいかも」と話している。
「ボストンバッグに入ってと言われればいつでも入るが...」
ボストンバッグから飛び出し、体を張った芸を披露する。これがエスパーさんのスタイルだ。タイツ一丁の姿は、テレビやイベントでお馴染みとなっている。
テレビ出演が少なくなった現在は、結婚式の余興をはじめとした営業活動で稼いでいる。鼻息だけでゴム手袋をふくらませたり、ラケットをくぐったり、扇風機の刃を舌で止めたり、といった往年の芸を披露。その様子を一般人が撮影したものがYouTubeに数多く投稿されている。
収入も比較的安定していたらしい。15年3月9日放送のバラエティ番組「マツコの月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)に出演した際は、2000万円の年収を稼ぎ、多いときで月20本の営業をこなしていると明かしていた。まさに全国を飛び回っていたのである。
しかし、そうした仕事も体力的に厳しくなってきたという。所属事務所の担当者はJ-CASTニュースの取材に、「もう56歳なんで、これからは常識の範囲内でやっていこうと思います」と話す。
もちろん「ボストンバッグに入って」と言われればいつでも入るが、「『ボストンバッグに入ったままスキーのジャンプ台から飛び降りろ』みたいな体を張りすぎた芸は難しいかも」と明かす。
さぞかし体調が悪いのか、と思いきや本人は至って変わりないらしい。なんと、「酒を飲み、酔っ払ったまま仕事にくることもある」という。
アートの仕事で「食えればいいなぁ」
そんなエスパーさんが新たに挑戦するのは、アートの仕事だ。画家のアシスタントや図鑑のイラストレーターを務めた経験もあり、その腕前は折り紙つき。テレビ番組ではイラストをたびたび披露していた。
ただ、事務所担当者によると、「『そっちで食えればいいなぁ』と話しているだけで、将来に何を描いているわけでもありません。活動内容は白紙です」。
エスパーさんをめぐっては、17年1月10日の東京スポーツ電子版が「芸能界引退へ」と報じ、ツイッターに
「また一つの時代が終わった。」
「SMAP解散に次ぐ衝撃」
「すごく悲しい」
と惜しむ声が相次いだ。しかし、事務所担当者は10日のJ-CASTニュースの取材に対し、引き続き事務所には所属するとして、「引退」については明確に否定している。