【きょうの健康】(Eテレ)2016年12月28日放送
「ネット依存から子どもを守る」
寝る間を惜しんでオンラインゲームに没頭し、私生活に支障をきたす。SNSでの会話が楽しく、スマートフォンを手放せず引きこもり状態に...。こんな「ネット依存」が、今中高生に増えている。
51万8000人もの中高生がネット依存に陥っているとの推計もある。番組では、治療法や、家族がどうサポートしていくかを紹介した。
ゲームの世界にアイデンティティーを感じてしまう
国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長によると、センターに訪れるネット依存患者の7~8割が学生で、大半が中高生だ。患者の7~8割はオンラインゲームに、残りの2~3割がSNS、掲示板、動画サイトに依存しているという。
そもそも、なぜネット依存が起こってしまうのか。
患者が多いオンラインゲーム依存を例にすると、ゲームで得られる快感は、アルコールや薬物で得られるのと匹敵するという研究結果があるほど強い。
さらにオンラインゲームはネットを通じて複数の人が同時に参加し、時間を問わずいつでも誰かがいて会話ができる状態にあるため、どうしても使用時間が長くなってしまう。
ネット依存に陥る人は現実の対人関係が不得意な場合も多い。リアルな世界には居場所が見いだせないが、ゲームではたちまち強くなって有名になり、アイデンティティーを感じられ、なかなか離れられなくなる。
ネット依存の兆候は以下の通り。
(1) 使用時間がかなり長くなった。
(2) 夜中まで続ける。
(3) 朝起きられない。
(4) 他のことに興味を示さない。
(5) 絶えずネットを気にする。
(6) 注意すると激しく怒る。
(7) 使用時間や内容などについて嘘をつく。
(8) ネットにより成績が下がった。