超高齢社会を迎えているが、日本老年学会と日本老年医学会は2017年1月5日、「現在、65歳以上とされている高齢者の定義を75歳以上とするべきだ」という提言を発表した。「心身ともに元気な人が多く、65~74歳を高齢者とするのは時代にそぐわない」からだという。
確かに近年、活動的な人が増えたため、高齢者の「元気度」を測る指標も新しくなっている。その中で、国立長寿研究センターなどがまとめた「JST版活動能力指標」と、徳島県が作った「高齢者元気度チェックシート」を紹介しよう。自分の「元気度」を改めて確認してはいかが。
携帯メール・DVDプレーヤーを使いこなす
日本老年学会と日本老年医学会の発表資料によると、「現在の高齢者は10~20年前と比較し、加齢に伴う身体的な機能変化が現れるのが5~10年遅くなっており、『若返り』現象がみられる」という。そこで、65~74歳を「准高齢者」、75~89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と呼ぶよう提言した。
両学会は2013年から「高齢者の定義の見直しの研究」を進めてきたが、その動きに合わせるように、加齢の専門家の間で「高齢者の元気度」を測る指標の見直しも行なわれた。2013年に国立長寿研究センターなどの研究チームが新しく「JST版活動能力指標」を作成した。それまでの基準だった「老研式活動能力指標」(1986年作成)に比べると、新たに「新機器の利用能力」に関する項目を作り、「携帯電話やATMを使えるか」「携帯・パソコンメールができるか」「DVDプレーヤーを操作できるか」などと聞いている。また、「詐欺にあわない対策ができているか」「ボランティア活動をしているか」など現代的な要素が加わっている。
国立開発研究法人・科学技術振興機構(JST)・社会技術開発センターのウェブサイトに「JST版活動能力指標」が載っている。それによると、「1人暮らしの高齢者が自立し活動的に暮らす」ために必要な能力を測定するために開発された。各項目とも問いに対し「はい」(1点)か「いいえ」(0点)で答える。得点が高いほど、それぞれの領域で活動的であることを示しているが、「今後の検証が必要なため、『得点が何点以下だと問題がある』といった基準はない」という。以下に紹介すると――。