スマホを普段からよく使う人は「魔力」に負けない?
ただし、この注意力を奪う効果は、スマホの使用頻度の低い人に強く表れ、スマホを普段からよく使っている人は、スマホをそばにおいた状態でも探索時間が約3.1秒と、メモ帳グループ並みの成績だった。むしろ、スマホを置いてある側の「T」の字に気づきやすいこともわかった。
この結果について、河原特任准教授は発表資料の中でこうコメントしている。
「実験では、画面を消した他人のスマホであっても、ただそばに置いてあるだけで本来向けるべき場所への注意が阻害されることがわかりました。この影響は普段スマホを使わない人ほど強い傾向があります。こうした効果が起こる原因は2つ考えられます。1つは、スマホは置いてあるだけで自動的に注意をひきつけること。もう1つは、スマホの存在を無視したり、注意したりする働きに個人差があることです」
それにしても、スマホは置いてあるだけでなぜ注意をひきつけるのか。河原特任准教授は発表資料の中で「日常生活の中で、メールの返事が来ないか、SNSの通知が来ないかなど、使用していなくても注意を向けていることはないでしょうか」と推測している。