著者の「腕組み写真」を広告に...
中央公論新社側も予想外のヒットに驚きを隠せない様子だ。担当者は
「中公新書は歴史をテーマにしたタイトルも多いですが、ここ10年間で、珍しいくらいの当たり方です」
と取材に語る。
一方、新聞広告にはちょっとした工夫を凝らした。「有名なのに内容は誰一人知らない」というギャップを逆手に取り、「地味すぎる大乱」とコピーをつけた。
デザインもこだわった。呉座さんの「腕組み写真」を載せたり、関西発行の地方版限定で「京都では『先の戦争』といえば応仁の乱」といった冗談話を織り込んだり。中公新書の硬派なイメージをやや逸脱し、「やわらかい」アピールを心がけた。
とはいえ、売れた要因については、「いくつか考えられるものはありますが、いずれも決定的ではありません」。「読者が何のために読んでいるのか、むしろこちらが知りたいくらいです」と語る。
年末年始の休暇中にも売り上げが落ちなかった『応仁の乱』。2017年は、乱の始まりから550年の節目の年になる。