屋内にはほとんど存在しないバイオレット光
最後に研究チームは、屋外と屋内のバイオレット光の量を調べた。すると、屋内にはバイオレット光がほとんど存在しないことがわかった。日常的に使用しているLEDや蛍光灯などの照明にはバイオレット光は含まれず、ガラス窓なども紫外線カットに加え、バイオレット光をほとんど透さない材質になっている。つまり、屋内ですごす時間が長い現代社会では、近視の進行を抑えるバイオレット光が決定的に不足しているというわけだ。
研究チームは、発表資料の中で「バイオレット光の欠如が世界的な近視の増大に関係している可能性があります。この研究成果は、近視の発症・進行メカニズムの解明と新規治療法の開発を通し、近視の増加に歯止めをかける一助になると期待されます」とコメントしている。
ともあれ、屋外で活動をする時間を増やすことが近視予防にはいいようだ。