北米市場はトヨタ車が最も売れている「宝の山」
トヨタ自動車の豊田章男社長は、米GMやフォードのメキシコ工場をめぐるトランプ氏の発言を受けて、1月5日に開かれた自動車工業団体の賀詞交歓会で、「状況を注視したい」と話し、2019年の稼働を予定している新工場については「もう少し状況がわかってから判断していきたい」と述べるにとどめていた。
一方、米国トヨタは、トランプ氏のトヨタ批判のツイッターを受け、「トヨタは過去30年間、米国で2500 万台以上のクルマを生産している」と、これまでの良好な関係を強調。「メキシコの工場は米国から移転するものではなく、新たに造るのであって、現在の米国内の生産規模や雇用が減ることはない。トヨタは、米国に10の工場と13万6000人の従業員を抱えていて、さらに米国での投資を進めていき、トランプ新政権と協力していくことを楽しみにしている」とコメントした。
トヨタにとって、北米市場は大事な「宝の山」。2017年3月期第2四半期(4~9月)連結決算で、トヨタの所在地営業利益をみると、日本の営業利益は4857億円(前年同期比49.4%減)で、全体(1兆1168億円)の43.5%を占めている。一方、北米の営業利益は2968億円。全体の26.6%にあたる。ところが、販売台数をみると、日本の107万8000台に対して、北米はその1.3倍にあたる140万台にのぼる。世界で最も売っている市場なのだ。
このため、1月6日の東京株式市場でトヨタ株は朝から売られ、一時、前日比219円安の6830円まで急落。終値は119円安の6930円で引けた。
また、日産自動車やホンダ、マツダなどの自動車株も、軒並み売られた。