東京都の小池百合子知事は2017年1月6日の定例記者会見で、今夏の都議選について、自ら立ち上げた政治塾「希望の塾」から勝てる候補者を出していくと語った。対決関係にある自民党への対抗心や、秋波を送られている民進党へもくぎを刺すなど、小池与党で多数派の形成にやる気満々だった。
一部で報じられている「小池新党」や、立候補者数には触れなかったが、「『サイン・コサイン』が上手ければ政治家になれるか、といえば、そうではない」「ただ都議になりたい、という人は遠慮していただく」と「求める人材像」を語った。
「改革の同志が多く勝利をおさめられるよう...」
「これまでの延長線ではない、都民の見たことのないような都政を進めていく」
小池知事はそう抱負を語り、都議選について
「改革の同志が多く挑戦でき、勝利をおさめられるような方策を、あらゆる選択肢をもって進めたい」
と述べた。16年夏の知事就任以来、都議会自民党とは対決姿勢を強めており、都議選でも「改革」という言葉で反自民の姿勢を明確にした。
小池知事が立ち上げた政治塾「希望の塾」はすでに4000人以上の塾生を抱えている。
一部報道によると、小池知事は新党を結成し、都議選の公認候補者を塾生から40人近く擁立する方針とも伝えられる。
会見では、新党の詳細は発表しなかったが、塾生の選考基準については
「『サイン・コサイン』が上手ければ政治家になれるか、といえば、そうではない例がたくさんある。ただ都議になりたい、という人は遠慮していただく」
「政治を進めるには、学校では教えてもらえないようなことを知らなければならない。ただ、熟知しすぎてもフレッシュさがなくなるが...」
などと踏み込んで話した。
「選挙の時だけ力を貸したり、借りたりでは困る」
一方、都議選で擁立する候補者数を質問されると、
「改革派がマジョリティを占めるためにはどうするのか、流動的な政治力学が働くので、数をいくつ出せばどうという世界でもない」
と一言。
「よく組閣の際に『何大臣は誰』とか、これは『書き得』なんですね。当たっても当らなくても関係ない、間違ってもみんな忘れる、という。数については、(メディア)各社想像の世界で書いていただいて、解説付きだったりするので、いろいろ参考にさせてもらっている」
と皮肉を飛ばしつつ、
「(候補者の選定基準は)勝てる候補者だ」
とのみ語った。
また、民進党の蓮舫代表が1月4日の年頭会見で、
「しっかり行革の旗を掲げて戦っている小池都知事には私は共鳴をしている」
と都議選での協力関係構築を示唆したことには、
「選挙の時だけ力を貸したり、借りたりでは困る」
「都民という有権者がそういう流れを見ているので、選挙の時だけというのは『ない』と思う」
と、16年の衆院選を意識したかのような発言でくぎを刺した。