【主治医が見つかる診療所】(テレビ東京)2016年12月19日放送
「オシッコトラブル スッキリ解決SP」
頻尿に残尿感、尿もれなどのオシッコトラブル。高齢者が悩まされるものだと思われがちだが、40歳以上の男女の約8人に1人がトラブルを抱えているというデータもある。
特に女性は知人にも相談しづらく、病院にもなかなか...という人も多いだろう。番組では、自宅で簡単にできる改善エクササイズや、効果が期待できるレシピが紹介された。
1日5~10分でOKの骨盤底筋エクササイズ
女性医療クリニック「 LUNA」の関口由紀理事長は、オシッコトラブルに大きくかかわる「骨盤底筋」を鍛える、米国生まれのエクササイズ「ピフィラテス」を勧める。「繰り返す」「止める」「弾む」の3つの行程を意識するのが大事だ。
まずは立った状態で行う。
(1) 肩幅に足を開き、腰に手を当てる。
(2) 右足を大きく一歩前に踏み出す。このとき、足首の上の位置にひざが来るようにひざを曲げる。左足は、ももの裏とお尻に力を入れる。
(3) 右足を前に出して戻る、を3回繰り返す。
(4) 3回目は足を前に出したまま3秒間止まる。
(5) その後「ハッハッハッ」と息を吐きながら、体を上下に3回弾ませる。
肛門に力を入れながら行うとよい。高齢者は無理をせず、イスに手をかけるなど、補助を使おう。
次は寝た状態で行う。
(1) お尻を床に付けて座り、ひざを立て、クッションなどをひざの間にはさんで仰向けに寝る。両手は体の横に置き、お腹は平らに、腰の裏に手が入らないよう床に付ける。
(2) はさんだクッションを落とさないよう、股関節を巻き上げるようなイメージでお尻を10回持ち上げる。
(3) 10回目は持ち上げたまま10秒間キープする。
(4) その後「ハッハッハッ」と息を吐きながら、体を上下に10回弾ませる。
立った状態、寝た状態のエクササイズを合わせて、1日5~10分程度行う。徐々に骨盤底筋が鍛えられていき、8週間ほど続ければオシッコトラブルの改善が期待できる。
安心感もトラブル改善につながる
獨協医科大学病院排泄機能センターの山西友典主任教授が勧めるのは「ガマン訓練」だ。
オシッコをいつもよりちょっと我慢するだけというもので、まずは5分、それができたら10分と、だんだん膀胱(ぼうこう)に溜められる量を増やしていく。もちろんガマンしすぎは禁物なので、できる範囲で行う。
秋津医院の秋津壽男院長は、ストレスや不安がオシッコトラブルの要素になるという。
「行きたくなった時にトイレがなかったらどうしよう」「渋滞の中で行きたくなったらどうしよう」などと考えると緊張して膀胱が縮み、ますますトイレに行きたくなる。
「次の信号の角のコンビニはトイレが借りられる」など、通勤などの経路でトイレに行ける場所を覚えておく。車には非常用の携帯トイレを備えておくと安心できる。
男性が悩まされがちなのが、オシッコした後の「ちょい漏れ」だが、これは「ミルキング」で解消できる。排尿後、お尻と睾丸の間を前に向かってしぼるように押すと、残ったオシッコが出てくる。
日本薬科大学の丁宗鐵学長は「男子排尿体操」を勧める。
排尿後に胸を張ってつま先立ちし、肛門に3回程度力を入れると、骨盤底筋が鍛えられる。最近は男性も座って用を足す人が増えていて、骨盤底筋が弱まっている傾向にあるので、意識して行うようにしよう。
ヤマイモとギンナンの知られざるパワー
オシッコトラブルは料理でも解消できる。漢方の権威・丁氏が勧めるのは「ヤマイモとギンナンの茶碗蒸し」だ。
ヤマイモは腎臓の炎症を抑えて腎機能を高め、前立腺の働きも助ける。ギンナンには頻尿や尿もれを改善する作用がある。
材料(4人分)は以下の通り。
(茶碗蒸し)
ヤマイモ(ナガイモ)200グラム
卵 11個
むきエビ(小)4尾
穴子 8切れ(1センチ幅)
ギンナン 16個
塩・わさび 少々
(あん)
だし 200mL
みりん 大さじ1
薄口しょうゆ 大さじ3分の2
片栗粉 大さじ2分の1
水 大さじ2分の1
(1) ナガイモをすりおろし、溶きほぐした卵と混ぜ合わせ、器に移して具を入れる。
(2) 蒸し器に入れて13~15分蒸す。
(3) あんの材料を混ぜ、沸騰させずに温める。
(4) あんを上にかけ、わさびを添えたら完成だ。
スタジオでは、茶碗蒸しとともに「柿の葉茶」も出された。こちらも腎臓や尿路の炎症を抑え、頻尿や尿もれの改善が期待できる。