傷ついた人の灯となって息づく
1月4日付けの朝日新聞「天声人語」も同じく、渡辺さんの2・26事件の体験と、その後の和解に触れた。さらに若くして管理職になったことによるストレスや、過労からうつ症状に陥り、60代では膠原病(こうげんびょう)に苦しんだということなども紹介。自らのたどった暗い谷を著書で率直につづり、「つらかったことを肥やしにして花を咲かせます」「でも咲けない日はあります。そんな日は静かに根を下へ下へおろします」など、いくつもの輝く言葉を残したと、偲んだ。
このほか徳島新聞も3日の一面コラム「鳴潮」で、「どこに行っても同じ。あなたが変わらなければ周りも変わらない」という渡辺さんの言葉を紹介しつつ、「多くの人を導いた渡辺さんが昨年暮れに逝った。だが、教えは今年も傷ついた人の灯となって息づく」と称えた。