「リステリン」でうがいすると淋病を防げるってホント?

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

たった1分ですべての淋菌が死滅

   このやっかいな淋病を、ありふれた口内洗浄液「リステリン(LISTERINE)」で防ぐことができるという研究をまとめたのは、オーストラリアのメルボルン性の健康センターだ。英医学誌「Sexually Transmitted Infection」(電子版)の2016年12月20日号に発表した。

   「リステリン」は医薬部外品の口内洗浄薬(マウスウォッシュ)のブランド名だ。19世紀半ばに英国で消毒薬として誕生、その後、口内菌の消毒に効果があることがわかり、現在、米の製薬・医療機器大手ジョンソン・アンド・ジョンソンが口内洗浄薬として世界中に販売している。

   さて、論文によると、研究チームは淋菌に対する「リステリン」の殺菌能力を次の2つの方法で実験した。

   (1)淋菌を培養した容器に市販の2種類の「リステリン」(『クールミント』と『トータルケアクール』)を塗布した。すると、わずか1分間ですべての淋菌が死滅した。4分の1に薄めた液体でもほとんどの淋菌を殺した。比較のために生理食塩水を塗布した場合は、まったく殺菌効果がみられなかった。

   (2)淋病に感染し、のどにも淋菌を持っている男性患者196人を、市販の「リステリン」(『クールミント』)で1回うがいをするグループと、生理食塩水で1回うがいをするグループの2つに分けた。そして、うがいの後にのどに綿棒を入れて淋菌の陽性・陰性反応を調べた。すると、「リステリン」でうがいをした人は48%が陰性に変わったが、食塩水で陰性に変わった人は16%だった。陰性に変わったということは、綿棒に淋菌が生存していないことを意味する。

   研究チームは、論文の中で「1回のうがいで、約半数の患者ののどから淋菌を排除することができました。リステリンは安価で簡単に手に入る薬剤です。これで、毎日口をすすぎ、うがいをすることが淋病の予防につながる可能性があります」とコメントしている。ただし、「196人という患者のサンプルが少なすぎる」という指摘が論文のレビューでも出された。研究チームも論文の最後で「さらなる研究が必要だ」と述べている。

1 2
姉妹サイト