賃貸マンションの「格差」拡大中 建設人気のウラに潜む落とし穴

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賃貸物件は「立地が最重要」

   そうしたなか、すでに賃料の激しい下落が起っているエリアがあるとの指摘がある。

   ニッセイ基礎研究所の塩澤誠一郎氏は2016年12月26日のJ‐CASTニュースの取材に、

「供給過剰による空室が増えるリスクは高まります。とくに立地に左右されやすい賃貸住宅市場では、(郡部などの)郊外ほど不良ストック化する懸念があります」という。「賃貸物件は需要が低いと当初の想定よりも入居率が下がり、そうなると賃料も下げざるを得なくなります。郡部、町村部は足もとでは(新築物件が)増えていますが、もともと都心部と比べると立地がよくないので賃料も下がりやすい傾向にあります」

と話す。

   また、前出の不動産アナリストは、「たとえば群馬県高崎市などでは、一時期にまとまって供給されたワンルームに人が入らず、賃料が大きく下がっている例があります」という。

   同じような傾向は、神奈川県相模原市や千葉県流山市あたりでも散見されるが、ただ、「安ければ安いなりに賃借人はつくもの」ともいい、さすがにワンルームで当初5~6万円台の物件が1~2万円台にまで下落するというケースはほとんどないようだ。

   一般に、賃貸マンションやアパートの賃料は、通勤や買い物などの生活利便性や、子育て環境や医療、騒音、町の雰囲気といった周辺環境、さらには防災や防犯(治安)などの安全性に、住み心地や住宅性能のレベルといった居住の快適性などで決まる。また、都心から近郊にかけては下がりにくく、郊外から地方圏で下がりやすい傾向にあり、さらに築年数が進むに連れて顕著になるとされる。

   つまり、賃貸物件は「立地が最重要」というわけだ。不動産アナリストは「賃料水準そのものが資産性にも影響を与えますし、賃料相場が高い地域は居住ニーズの高い地域ですから、結果的に資産価値も落ちにくいわけです」と説明。駅近くの賃貸マンションと、駅からバス便を使うような立地の賃貸マンションとでは、その「格差」が広がりつつあるという。

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