17年3月期で大幅な減益が予想されるなか...
一方、17年春闘では、経営環境としてトヨタは17年3月期で大幅な減益を予想している。足元では「トランプ相場」で円安傾向が強まっているとはいえ、年間を通じては前期より円高になった影響が重荷になっている。電気自動車への本格参入や自動運転への対応などで研究開発費もかさんでいる。このため、17年春闘は前年よりも厳しい環境での交渉となる。そもそもベア要求の根拠となる物価上昇率がマイナス基調というのも労働側にはマイナス要素だ。
こうしたなか、トヨタ労組が要求水準を前年より下げればグループ企業はそれを超えた要求はしづらくなる。こうしたことも勘案し、トヨタ労組としてはひとまず、経営環境からみればやや高めの3000円という要求を維持することで、グループ企業の労組の要求水準を引き下げにくい格好にしたということだろう。今後本格化する労使交渉が注目される。