米中の経済摩擦、激化の恐れ 「市場経済国」認定めぐる攻防

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

米国内の他の政府組織と摩擦が生じる可能性

   今回の米国の決定は現在のオバマ政権によるもので、注目はトランプ政権のスタンスだ。「米国第一」を掲げるトランプ氏は大統領選中、米国内の仕事を大幅に増やすと公約し、「為替操作国である中国からの輸入品に45%の関税を課す」など、対中強硬姿勢を示してきた。そして、12月21日には、通商政策の司令塔になる「国家通商会議(NTC)」の創設を発表し、中国を批判してきたピーター・ナバロ米カリフォルニア大教授をトップに指名した。

   この狙いについて、国際経済筋は「対中貿易の不均衡是正など具体的な成果をあげるため、通商政策を重視する姿勢の表れではないか」と推測する。米国の経済政策は世界の基軸通貨であるドルを管轄する財務省が中心に位置し、通商交渉は通商交渉代表部(USTR)、輸出促進などは商務省という任務分担。日本に当てはめると、財務省は財務省、USTRと商務省を合わせて経済産業省、他にクリントン政権時代にできた国家経済会議(NEC)があり、日本の内閣府に相当する。

   トランプ政権での各省、組織の位置づけ、権限分担はまだわからないが、環太平洋経済連携協定(TPP)の破棄を明言し、二国間交渉を重視すると繰り返していることから、対中国をはじめ、二国間で不均衡是正を迫るとみられ、新設のNTCが大きな役割を果たすことになりそうだ。ただし、「財務省など他の組織と摩擦が生じる可能性もあり、特に対中国では台湾や南シナ海などの安全保障問題ともかかわるだけに、国家安全保障会議(NSC)との連携を含め、政権内の政策調整をどうコントロールするかが見もの」(全国紙政治部デスク)といえそうだ。

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