天皇陛下が2016年8月に退位の意向を強くにじませた「お気持ち」を表明し、その後、退位のあり方をめぐる議論が進んでいることについて、12月の誕生日の記者会見で「各々の立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」と述べた。
政府の有識者会議は17年1月下旬にも特別措置法(特措法)で1代限りでの退位を認める方向性の「論定整理」を公表し、それを受ける形で政府は特措法を法案として国会に提出する見通しだ。「1代に限って退位を認める」のか「恒久的な制度として退位を認める」のか、J-CASTニュースでも改めてワンクリック投票で読者の声を聞いた。
7割以上が退位には肯定的
J-CASTニュースのワンクリック投票では、陛下の退位のあり方について
「2017年中に天皇陛下の退位は実現(または決定)すると思いますか?するとすれば、どんな方法になると思いますか?」
と12月16日から聞いたところ、最も多い46.8%が「新たに成立する特措法の定めに従って退位する」と回答。およそ半数が有識者会議と同様の方向性を考えているようだ。「皇室典範の改正を経て退位する」と回答したのは29.8%にとどまり、将来の天皇についても退位の道を開くという考え方は少数派だった。
一方、「摂政を置いて実務は任せるが、退位はしない」は15.0%、「摂政は置かず、退位もしない」という人も10.8%いたが、全体の7割近くが、いまの天皇陛下の退位には肯定的なようだ。
ただ、退位をめぐる世論は流動的だ。朝日新聞社が16年12月17、18日に行った世論調査では、
「天皇陛下の退位をめぐり、政府がもうけた有識者会議は、今後のすべての天皇が退位できるようにするのではなく、今の天皇陛下に限って退位できるようにしたほうがよいという提言をする方針です。この方針に賛成ですか。反対ですか」
という質問に対して52%が賛成、36%が反対と答えた。特措法に肯定的な人が多いように読める。ところが、日経新聞とテレビ東京が12月28、29日に行った世論調査の
「天皇陛下の退位について、政府はどう対応すべきだと思いますか」
という質問に対しては、「今の天皇に限って、退位を認める制度をつくるべきだ」が22%だったのに対して、それを大きく上回る65%が「今後の天皇すべてに、退位を認める制度をつくるべきだ」と回答。特措法ではなく皇室典範を改正して恒久的な制度として退位を求めるべきだという声の方が多い。