「低成長時代を生きる若者のスタイル」
果たして、インターネット上の指摘にもあった、「ネットで何でもできるから」という環境が、外出する人(特に若者)を減らしているのだろうか。
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平氏は、2016年12月28日のJ‐CASTの取材に対し、若者が外出しない現象は、「社会が成熟した、どの先進国の若者にも見られます」と話した。
では、若者はなぜ外出しなくなったのか。利便性が増したネットの影響なのか――。
原田氏は、
「たしかに、ネットの影響はないとはいえません。SNSで友だちとやり取りしたり、さまざまなコンテンツと接したりしているうちに時間を忘れてしまう、ということはあるでしょう。とはいえ、ネットは外出先でも見ることができますから、『ネットが外出を減らした』とは言いきれません。原因は、経済の低成長にあるといえます」
と指摘する。
経済が発展している時代は、若者も未知の世界を求めて海外や国内旅行に出かけて行ったし、買いたいと思ったモノを買ったりした。給料も右肩上がりで上がっていたので、それができた。ところが、経済の低成長時代に入ると給料が上がらなくなるので、やりたくてもできなくなる。おのずと、まったりしてきて「のんびり過ごしてもいいんじゃない」となってくる。
それが、「さとり世代」であり、「低成長時代を生きる若者のスタイルといえます」と語った。