ビール大国・中国の消費落ち込む その要因と「富裕層の動向」

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   2015年の世界のビールの総消費量が約1億8378万キロリットルで前年比0.3%減となり、30年ぶりに前年割れとなったことがキリンの調べでわかった(16年12月21日発表)。国別で1位の中国の消費量が前年比3.9%減と大幅に落ち込んだことが響き、世界の総消費量を押し下げた。

   国別の消費量ランキングのベスト10は、(1)中国(2)米国(3)ブラジル(4)ロシア(5)ドイツ(6)メキシコ(7)日本(8)英国(9)ベトナム(10)ポーランド。日本(ビールのほか発泡酒や第三のビールを含むビール類の合計)は前年比0.5%減ったものの、世界順位は7位で前年と変わらなかった。日本の7位は9年連続。

  • 世界各国のビール消費量はどうなっているのか(画像はイメージ)
    世界各国のビール消費量はどうなっているのか(画像はイメージ)
  • 世界各国のビール消費量はどうなっているのか(画像はイメージ)

世界全体のビール消費量の24%を占める巨大市場

   ベスト10で、前年比の消費量が最も伸びたのはベトナムで7.7%増。旺盛な経済成長とともに、前年の11位から9位に順位を上げた。次いでメキシコが6.7%増、ポーランドが1.2%増、ドイツが0.1%増となったが、残る6か国は前年割れだった。

   首位の中国は、世界全体のビール消費量の24%を占める巨大市場だ。関係者によると、中国では富裕層を中心にワインを好む人が増えているほか、習近平国家主席が政府や党幹部の腐敗一掃(反腐敗)と合わせ、官僚らの浪費や官々接待を取り締まる「贅沢禁止令」を徹底していることも、ビール消費が鈍る一因となっているようだ。

   もちろん、ここまでは国別の消費量で、人口の多い中国や米国が上位を占めるのは当たり前だが、1人当たりビール消費量となると、顔触れが異なる。2015年は、1位はチェコの142.4リットルで、日本の大びん(633ミリリットル)換算で年間225本を消費したことになる。2位セーシェル(114.6リットル)以下は、(3)ドイツ(4)オーストリア(5)ナミビア(6)ポーランド(7)アイルランド(8)リトアニア(9)ベリーズ(10)ルーマニア(92.1リットル)=3~9位の数字は割愛=の順だった。

   ビール大国のチェコは23年連続で1位。日本は55位で42.3リットルにとどまった。大びん換算では66本で、首位のチェコは日本の3.4倍と大差がついた。主要国では米国が20位で75.4リットル、英国が27位(67.7リットル)、ロシアが35位(59.0リットル)、韓国が46位(46.7リットル)などとなっており、いずれも日本より1人当たりの消費量が多かった。国別で首位の中国は、日本より少なく71位(31.3リットル)だった。

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