化粧禁止の園長「入園説明会で保護者に話をする」
ニーズが増している理由として、レイスの担当者は「昔は人形やおもちゃといった可愛い物を持っていれば満足していたのが、最近では自分を可愛く見せようという方向にシフトしているのではないか」と推測している。同社でよく売れるのはリップグロスとネイルカラーで、ほかにもアイテムの種類が増えているという。
子どもの肌の健康を考え、原材料に配慮していると説明する。
「大人用の化粧品はクレンジングで落とすので、多少なりとも肌への刺激があります。しかし、子ども用はクレンジングしなくても水で顔を洗えば簡単に落とせます。ネイルカラーは、爪に刺激のある除光液を使わずに落とせる水溶性で、こすれば落ちるようになっています」
注意事項として、長時間つけたままにせず、寝る前には落とすことや、誤飲しないよう保管に気を付けることなどが「ガッチリと書いてあります」という。
それでも、化粧を禁止する園はある。取材に答えた東京都内のある幼稚園の園長は、「メーク、ネイル、染髪も禁止しています。入園説明会で保護者に説明します」と話した。メークなどをしてくる子がいたら、その場で注意して落としてもらい、保護者にも話をする。「教育機関ですから、常識ある親御さんなら一度説明すれば分かっていただけます」。
女性向け情報交換サイト「ガールズちゃんねる」には15年10月24日、「幼稚園の禁止事項」のテーマで掲示板が立てられた。そこに寄せられた投稿の中にも
「化粧禁止。色つきリップやマニキュアなどしてくる女の子がいるので」
「化粧、香水、髪染め禁止」
との書き込みが見つかる。前出の30代女性の保育園では「禁止されていませんし、特に注意もされませんが、うちの園のルールは緩いのではないかなと思います」と話していた。