人口570万人に300万サウナ浴場の「特殊事情」
ところで、「Science Daily」の次のようなユーザー・コメントを見ると、今回の研究に疑問を向ける意見が目につく。フィンランドがサウナの発祥地であり、人口約570万人の国内に約300万か所ものサウナ浴場がある「特殊事情」をこの論文が反映していないというのだ。
「まず、収入・学歴・社会的地位で比較してほしかった。それらの要因は認知症と関連しているし、そのことがサウナの利用率とつながりがあるかもしれない」
「社会から離脱した人が認知症になりやすいことは明白だ。各家庭にサウナがあり、サウナ浴場が社交場としても使われている国だから、血流がどうのこうのよりも、社会に溶け込めない人の問題だ」
「いや、みんなフィンランドのサウナについて誤解している。友だちと話す場所にも使われるが、たいてい1人で沈思する場所だよ」
......と、もっぱらサウナ事情に議論が盛り上がる。
東京都港区南麻布にある駐日フィンランド大使館には、建物の中にサウナ浴場があり、訪れた人々と大使館職員が一緒にサウナに入り、「サウナ外交」をしている。実際にサウナに招かれた人のブログ「フィンランドが好きだから」(2015年7月17日付)を見ると――(要約抜粋)。
「昨夜はフィンランド大使館の『サウナ外交』にお招き頂きました。今回は『食』に関する仕事をしている面々のみで、しかも女性限定(編集部注:フィンランドのサウナは水着を着た男女の混浴が普通)。さながらレディースサウナナイトです。イクメンの報道担当参事官(男性)の『乾杯!』で盛り上がった後、サウナ室に入ります」
「女5人、いろいろな話をしながら滝汗をかき、楽しく貴重な時間を過ごすことができました。大使館職員の方以外は皆さん初対面ですが、サウナの中ではそんなこと関係ありません。『熱波~』と爆笑しながらフィンランドの話、食べ物の話で大いに盛り上がりました。日本にも『裸の付き合い』という言葉がありますが、まさにそれです。サウナの後にはフィンランド料理もふるまわれ、大満足の『フィンランドの夜』になりました」
確かにこれだけサウナが楽しければ、認知症に効果があるかもネ?