「多くの日本企業に浸透してきた極端な職場倫理」
海外の主要メディアも、電通問題を「過労死」に関連づけて紹介している。英フィナンシャルタイムズ電子版は12月28日付け記事に
「高橋さんの死と石井氏の辞任は、『カロウシ(karoshi=過労死)』として知られる現象、すなわち過剰な労働により命を失うことに関しての国民的な議論に火をつけた」
と書いた。
米ニューヨークタイムズ電子版は同日付け記事で、「カロウシ」という言葉は1980年代から広く使われるようになったと振り返り、「日本においては長い間、遅くまで残業することは会社に対する忠誠心として受け入れられてきた。使用者側はこれに、雇用の安定という形で報いた」と伝えた。
また、米ウオールストリートジャーナル電子版の同日付け記事は、長時間労働を「多くの日本企業に浸透してきた極端な職場倫理」だとしたうえで、電通問題をきっかけにそれを抑えるための議論が再燃したと指摘している。