値上げの影響で、取り扱いはがき枚数が「2億通減る」見込み
持ち株会社の日本郵政の長門正貢社長は、会見で「今回の値上げは23年ぶりだが、この間、経営努力をしてこなかったわけではない。ハイテク機械を入れたり、経費削減や売り上げを増やす努力をしてきた。そのうえで上げざるをえない」と述べ、理解を求めた。
長門社長によると、今回のはがきの値上げ率は19%。この23年間で、タクシー料金は21%上がったが、路線バスは11%しか上がっていないという。はがきの値上げが妥当な水準か、微妙なところだ。長門社長は「従前以上に日本郵便が筋肉質になるようトライしていきたい。経費削減努力が真っ先だ」と述べた。
ただし、今回の値上げの収益改善効果がどの程度かは、なかなか読み切れない。値上げによって、若者を中心にはがき離れに拍車がかかる可能性があるからだ。日本郵政は今回の値上げで、全国で取り扱うはがきの枚数が2億通減ると見込む。さらに、2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられる際には、更なる値上げも予想され、一段の郵便離れの可能性もある。
やむにやまれぬ値上げだとしても、郵便事業はなかなか反転攻勢が展望できないのが現状だ。