「カムカムロック」:歯科医が噛む大切さ説く 自ら作詞作曲し動画でアピール

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時間をかけて食事するのが難しい現代っ子

   ――歯科医として、最近はものをよく噛まない子が増えていると思いますか。

春日 現代っ子はとにかく忙しく、課外活動や塾、習い事とやらなければならないことがたくさんあって、のんびりと時間をかけて食事するのはなかなか難しくなっているように私には思えます。
   父母が共働きという家庭が増え、朝食はとらず、夕食は高脂肪で口当たりの良い外食やファストフードで済ませてしまう子どもも増加しているようです。栄養士によってよく考えられた献立の学校給食の重要性は、ますます高まっているのではないでしょうか。

   ――「カムカムロック」を今後、どう広めていきたいですか。

春日 私は保護司として、10年以上活動しています。毎年7月初めに地域で行われる「社会を明るくする運動(社明運動)」の一環で開かれるミニ集会で、「カムカムロック」を活用しています。この集会は、保護司会と共に活動する更生保護女性会という団体が、家庭問題や非行問題などを考えるために主催し、小学校や幼稚園が会場となります。そこで、地域の人々や子どもの保護者を対象に、食育やよく噛むことの大切さを話す際に「カムカムロック」を参加者の皆さんに歌ってもらったり、曲のCDを無料で差し上げたりしています。
   小学校では、校長や養護教諭といった学校側の代表者、保護者や児童の代表、学校医が出席する「保健委員会」が年に1、2回開かれます。小学校の教室で、講師を招いての講演会や、児童の健康増進のためのシンポジウムを開きます。私が保健委員会で講演をする際に、「カムカムロック」を利用しました。
   また、2015年から園医を務める保育園「江東湾岸サテライトスマートナーサリースクール」の関係者にも、曲を保健指導の一助として低年齢児向けに利用していただいています。さらに当歯科医院では、院内で曲を流し、興味を持った人にCDを提供しています。
   今後は全国的に、「カムカムロック」を必要とする教育・医療機関に向けて、著作権の問題をクリアした形でスムーズに曲をダウンロードしてもらえるように、現在インターネット配信の準備をしています。

春日芳彦さん略歴

東京都江東区の「かすが歯科医院」院長。1985年より、江東区立数矢小学校歯科校医を務める。98年に「カムカムロック」を作詞作曲し、2016年に動画として発表した。高校時代にフォークバンドで活動、大学生になるとドラムを始めるなど音楽経験を持つ。2004年には江東区保護司に就任。14年に学校歯科医30年勤続により江東区区政功労賞を受賞。

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